瘢痕と湿疹

皮膚科に勤める

理学療法士 地口より


本日は手術によって瘢痕化した皮膚と

その周りにだけ出来た湿疹について

当院の医師の症例写真から

見せてもらった写真

(個人情報になってしまうので

写真は載せられないのですが)

イメージ図はこんな感じ↓


「手術の傷のところに出来た湿疹が治らない」

と言って受診されました。

 

瘢痕とは

創傷過程の最終段階で起きるもので、

肉芽組織が、膠原組織に置き換わり、

大きい傷だとその皮膚は汗腺や脂腺を失い、

血管も一般的に少なくなると言われています。




症例写真を見ても

10cm以上あるだろう大きい傷

疼痛も想像できますし、

手術後の傷は医師から出来るだけ

動かさないようにと指示されます。


その患者さんもやはり

傷周りの皮膚が硬くなり、

皮下組織も硬く、

体幹の可動域制限も伸展、

回旋方向に

制限されていたとのこと。



当院の医師と私の見解では、


体幹を動かさなくなったことにより、

体幹の循環が低下し、

特に創部では皮膚の硬さや


瘢痕の特性である血管の減少のために

本来なら回収されるはずの

炎症を引き起こす種々の物質や

免疫細胞が溜まり

湿疹として現れてしまったのではないか

ということ



実際、その当時体幹を

よく捻って伸展させるように運動して

と指示したところ、

湿疹は速やかに引いたとのことでした。


炎症があったり、

肥厚性瘢痕、

ケロイドがある状態では

積極的に動かさない方がいいのでしょうが、

 

皮膚にとって、

関節運動を起こし、

循環をよくすること、

また動かすことで皮膚の柔軟性を

回復させる事

湿疹に効果的と感じずにはいられない症例でした。



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【日本アレルギーリハビリテーション協会】

 

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