皮膚科に勤める
理学療法士 地口より
本日は手術によって瘢痕化した皮膚と
その周りにだけ出来た湿疹について
当院の医師の症例写真から
見せてもらった写真
(個人情報になってしまうので
写真は載せられないのですが)
イメージ図はこんな感じ↓
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s727f57f4e1b3eaf8/image/ib6ee87aca7eb5890/version/1515601341/image.png)
「手術の傷のところに出来た湿疹が治らない」
と言って受診されました。
瘢痕とは
創傷過程の最終段階で起きるもので、
肉芽組織が、膠原組織に置き換わり、
大きい傷だとその皮膚は汗腺や脂腺を失い、
血管も一般的に少なくなると言われています。
症例写真を見ても
10cm以上あるだろう大きい傷
疼痛も想像できますし、
手術後の傷は医師から出来るだけ
動かさないようにと指示されます。
その患者さんもやはり
傷周りの皮膚が硬くなり、
皮下組織も硬く、
体幹の可動域制限も伸展、
回旋方向に
制限されていたとのこと。
当院の医師と私の見解では、
体幹を動かさなくなったことにより、
体幹の循環が低下し、
特に創部では皮膚の硬さや
瘢痕の特性である血管の減少のために
本来なら回収されるはずの
炎症を引き起こす種々の物質や
免疫細胞が溜まり
湿疹として現れてしまったのではないか
ということ
実際、その当時体幹を
よく捻って伸展させるように運動して
と指示したところ、
湿疹は速やかに引いたとのことでした。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s727f57f4e1b3eaf8/image/i914d4d93f5521ce8/version/1515602769/image.png)
肥厚性瘢痕、
ケロイドがある状態では
積極的に動かさない方がいいのでしょうが、
皮膚にとって、
関節運動を起こし、
循環をよくすること、
また動かすことで皮膚の柔軟性を
回復させる事が
湿疹に効果的と感じずにはいられない症例でした。
いつもお読みいただきありがとうございます。
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