皮膚科クリニックで働く
理学療法士 地口より
今回は、
アトピー性皮膚炎を持つ
患者さんにおける
運動療法の重要性
についてお伝えしたいと思います。
以前、少し載せたアトピーの定義ですが
『アトピー素因
(=アレルギー性の喘息・鼻炎・結膜炎・皮膚炎)
に基づく慢性的に繰り返す
湿疹・皮膚炎で
さらに先天的に角質細胞を作る
フィラグリンといった遺伝子の突然変異や
IgEを産出しやすい素因を持った状態を基礎として
後天的に様々な刺激因子が作用して
慢性の湿疹・皮膚炎病変を形成したもの』
参考『あたらしい皮膚科学 第2版』
としています。
上記からアトピーの要因の一つに
異常過敏性、アレルギーが
背景にあることがあげられます。
アレルギーにもタイプがⅠ〜Ⅳまであり、
アトピーの場合は主に
Ⅰ型のアレルギー関与が大きいとされています。
Ⅰ型アレルギーとは…
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s727f57f4e1b3eaf8/image/ica2c25a6a8659a97/version/1507903900/image.png)
出典『病気が見える vol 6』
抗原(アレルゲン)に対し
ヘルパーT細胞や形質細胞の働きで
IgEを産出、またIgEは
ロイトコリエンやヒスタミンを
放出するマスト細胞に結合します。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s727f57f4e1b3eaf8/image/ia293c2f0c3735323/version/1507903973/image.png)
それらの物質が皮膚に対して
赤みやかゆみを生みます。
また、この即時型の反応の他に
ヘルパーT細胞やマスト細胞自体が
誘導する好酸球が
遅発型のアレルギー反応
を起こすとされています。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s727f57f4e1b3eaf8/image/ic5b4540ddd735fe0/version/1507904481/image.png)
出典『病気が見える vol 6』
この遅発型のアレルギー反応が
より、アトピー性皮膚炎を
慢性化させる
と言われています。
抗原(アレルゲン)が
体に入らなければ
もちろん良いことなのですが
完全にダニやらハウスダストやら
花粉やらを防ぐのは難しいですね。
また、
アトピーの人は少量でも
過敏に感じやすい性質を
合わせて持っている人もいます。
解決法の一つとして
前回のあげさせていただいた
血液の滞りを防ぐ
ということ。
血管を流れる
血液やリンパ液の
粘性が低い
↓↓↓
血流速度が速くなる
↓↓↓
抗原が
溜まりにくくなる
↓↓↓
抗原とヘルパーT細胞
との感作が
起きにくくなる
このサイクルが生まれますよね。
また
交感神経と副交感神経の働き
による血管の調整 や
筋肉の作用による
ポンプ機能も必要です。
これらは薬だけではなく、
運動療法でもコントロールできる
部分なので
アトピーをもつ方々に
運動療法も大切だと言えますね。
このことを
ぜひ、知ってほしいと思います。
本日も長文をお読みいただきありがとうございました。
地口麻衣
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