アトピー悪化 界面活性剤

アレルギーとたたかうセラピスト
及川文宏より
日本アレルギーリハビリテーション協会
アレルコア
福のしま研究会
 YouTubenoteでは、アレルギー疾患に対する理学療法についてお伝えしています。

 

 

今、ことある毎に手洗い、アルコールスプレーをしなくてはならない状況ですね。

感染予防には、とても大事なことですね。

 

画像2

(厚生労働省より)

 

ただ、この手洗いによって

アトピー性皮膚炎などの皮膚のトラブルを持つ方の手は、今まさにボロボロになってしまっています。。。

 

 

手の荒れた方を見るたびに

本当になんとも言えない感情になります。

 

 

コロナへは感染したくないから、手は洗わないと!

でも、洗うたびに手が痛いんです。

その後のアルコール消毒もほんと痛いんです。

 

 

 

コロナ、ほんと、お願いだから早くどっかいって!!!

って、思いますね。。。

 

 

皮膚は、以下のものによって壊されてしまいます。

 

 

 

皮膚バリアを壊しちゃうもの

 

①界面活性剤

 

②ハウスダストダニ、黄色ブドウ球菌

 

③ステロイド外用剤

 

 

今回は、

 

①「界面活性剤」について

 

お伝えしたいと思います。

 

石鹸、洗剤は、人の皮膚の洗浄に広く使用されています。

 

それらは、皮膚表面の脂質を乳化することにより作用し、その後、水で洗い流すことができます。

 

油汚れを落とすには、本当に有効ですね。

 

油汚れのついたフライパンを固形石鹸(洗浄力の弱い石鹸)で洗おうとするとほんと大変ですよね。

 

その後に液体洗剤(以下のような)で洗うとびっくりするほど、すぐに落ちる。。。

 

 

 

手を洗う石鹸もそうですが、

洗浄力が強い(≒除菌力が強い)ということは、皮膚に必要な脂分や水分も取り除いてしまうということです。

便利なものが全て悪いとは思いませんが、

「時短」 「簡単」 「便利」

この裏にある自分の身体への負の要素を考えることも大事ですね。

 

結論から言えば、

 

・感染予防のため、外出時の手洗いは必須

 

・手洗い後の保湿クリームによる保護

 

・自宅では手に負担の少ない(洗浄力の弱い)石鹸で洗う

 ※手の洗い方をしっかり、かつ流水にも時間をかける

 ※可能な範囲で、自分の石鹸を持ち歩く

 

例年であれば、冬のインフルエンザの時期を過ぎると手洗いによる手荒れも少し落ち着くことも多いのですが、今年は違いますね。

 

先が見えず、大変な思いをしている方が多いかと思いますが、みんなで協力してコロナを1日でも早く落ち着かせて、赤い手を回復に向かわせましょう!

 

以下に

界面活性剤と皮膚の関係の細かいところを載せておきます。

詳しく知りたい方は、ぜひ、読んで見てください。

 

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【界面活性剤と皮膚の関係】

 

界面活性剤は、皮膚を損傷し、乾燥、圧迫感、粗さ、紅斑、腫れを引き起こす可能性があります(Kligman and Wooding、1967; Imokawa、1980; Froebe et al。、1990; Ananthapadmanabhan et al。、2004)。

洗剤の使用は、手の刺激性接触皮膚炎の最も一般的な原因の1つであり、ADのフレアを引き起こす可能性があります(Meding and Swanbeck、1987)。

洗剤のラウリル硫酸ナトリウムは、刺激に対する皮膚の感受性の標準試験として使用されます。皮膚バリア機能に対する界面活性剤の負の効果は、TEWLの増加によって示され、これはAD患者では正常対照よりも重症です(Cowley and Farr、1992)。

 

※TEWL:経表皮水分蒸散量 [transepidermal water loss]

 体内から無自覚のうちに角層を通じて揮散する水分量のこと

 

界面活性剤は脂質を可溶化することができ、これがTEWLを増加させるメカニズムであると仮定されています(Kirk、1966; Cowley and Farr、1992)。石鹸と洗剤の急性刺激作用は、角質細胞からの炎症誘発性サイトカインの放出によって部分的に説明できます(Wood et al。、1996、1997)。

皮膚を石鹸で洗うと、手のひらのpHが90分以上3U上昇します(Mucke et al。、1993)。前述のように、pHの上昇は表皮バリアに重大な悪影響を及ぼします。石鹸で洗う前後の正常な皮膚と非病変の湿疹性皮膚のSCの厚さを測定しました。洗浄前のSCは、非病変性湿疹性皮膚(13.7μm)よりも正常皮膚(19.7μm)で厚かった。石鹸で洗うと、正常および非病変の湿疹皮膚の両方でSCがさらに薄くなり、これは表皮プロテアーゼの活性の変化と一致しています。

 

界面活性剤の使用は、サイトカインの放出の促進に加えて、KC分化およびSC分解酵素の重要なマーカーの発現を変化させることも示されています(Wood et al。、1996、1997;Törmäet al。、2008)。

 

詳しくは、以下の文献にてご確認ください。

 

アトピー性皮膚炎における表皮バリア機能障害

Epidermal barrier dysfunction in atopic dermatitis
Michael J. Cork, et al.Journal of Investigative Dermatology, 2009

https://www.jidonline.org/article/S0022-202X(15)34442-0/fulltext

 

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コロナのことが落ち着いて、トイレの後の手洗いだけで、心配のない状況に1日でも早くなってくれることを心から、心から願っています。

 

 

最後まで読んでくださってありがとうございます🍀

 

 

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