皮膚から人を元気にしたい
理学療法士の高橋美穂です
今回からは紫外線についてです。
3月に入り春を少しずつ感じられる季節となりました。
しかしまだ本格的な春は先ですし、ましてや初夏など先のように感じられますが、
実は紫外線量は3月から急激に増加します。
油断しがちですが、これからの季節の紫外線量は初夏の紫外線とあまり変わらず、気温はまだ低いのですが、紫外線はすでに夏同様に強いのです。
紫外線には
UV-A、UV-B、UV-C
の3種類があります。
UV-Aは皮膚の奥まで届き、雲や窓ガラスをもすり抜けてしまうので強い直射日光を浴びないガラス越しの屋内においても少しずつ皮膚に影響を与えていきます。
UV-Bはシミ・くすみ・色素沈着等の一番の原因となる紫外線です。
UV-Bは皮膚ダメージを急速に起こすので、多くの方が真剣に対策をされる傾向が強いです。
UV-Cは人体に最も有害な紫外線です。通常はオゾン層に吸収され地上には届きませんが、近年はオゾン層の破壊により地上に届くようになってしまい皮膚ガンの原因にもなっているとされています。
上のこの写真は、28年間トラック運転手をしていた68歳のアメリカ人男性の写真です。
左ハンドルなので、顔面の左側に紫外線を浴び続けた結果です。
加齢によるものだけでなく、UV-Aを浴び続けたことにより皮膚の老化は進みます。
これを『光老化』と言います。
避けることのできない加齢による自然老化と光老化は区別されており、自然老化はたった20%で、実は「老化現象」の約80%は、この紫外線による『光老化』であると言われています。
UV-Aは、地上に届く全紫外線のうちの約95%を占めます。
それ自体のエネルギーは弱いものの、照射量が多く、浸透力が高いので皮膚に与える影響は深刻です。
浴びたUV-Aの20〜30%が皮膚の奥の真皮層にまで達すると考えられており、ハリや弾力を生むコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを作り出す線維芽細胞に損傷を与えます。
特に近年紫外線は、美容だけではなく健康上も大変怖いものである事が証明されています。
数年前までは、UV-Cが皮膚ガンの原因となると思われてきましたが、近年ではUV-AとUV-Bも皮膚ガン等の様々な病気の原因となる事がわかってきました。
一昔前ですと、紫外線を浴びると健康になると推奨されていましたが、今では、母子手帳から「日光浴」が消え、「外気浴」と記されるようになっています。
皮膚が紫外線を受けるとどんな反応をするのか次回から書いていきたいと思います。
そして、近年アレルギー症状として増えている紫外線アレルギーや光過敏症に対する紫外線対策についても考えていきたいと思います。